【ミルクがなかなか飲めなかった。自力で飲む体力がなかったあの日と、チューブの記憶】

赤ちゃんはみんな、生まれたら当たり前にゴクゴクとミルクを飲むものだ

そんなふうに思っていましたが目の前にいる我が子は違いました。

一生懸命に生きているけれど、どうしても、ミルクを自力で吸い上げる「体力」が足りなかったのです。

少し吸っては、疲れて眠ってしまう。

もっと飲んでほしいのに、これ以上は無理をさせられない。

そんな中で始まったのが、鼻からのチューブ(経鼻栄養)での生活でした。

顔に貼られた固定用のテープ。鼻から伸びる細いチューブ。

最初は、その姿を見るだけで「ごめんね」と胸が締め付けられる思いでした。

でも、次第に気づきました。

このチューブは、体力がなくて飲めない我が子を支えてくれる、大切な「命の綱」なんだということに。

シリンジを使ってゆっくりとミルクを流し込む時間は、ただの栄養補給ではありませんでした。

「これで少しずつ体力がつきますように」

「いつか自分の力で飲める日が来ますように」

一滴一滴に、そんな願いを込めていました。

自分の力で飲めないことは、決してこの子のせいじゃないし、親である私のせいでもない。

ただ、今は少しだけ「お休み」と「助け」が必要な時期だった。そう思えるようになるまでには、時間がかかりました。

もし今、当時の私と同じように、チューブを通してミルクをあげながら「いつまで続くんだろう」と不安になっている方がいたら、伝えたいです。

「飲ませられなくてごめんね」ではなく、「今日も栄養が摂れてよかったね」と笑いかけてあげてください。

体力は、その子のペースで少しずつ、確実に育っていきます。

焦らなくて大丈夫。

小さな一歩を、一緒に見守っていきましょう。

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