これまで、私たちは「家族」でありながら、夜はバラバラの場所にいました。
ママは病室、パパは自宅、そして赤ちゃんはNICU。
面会時間が終われば「また明日ね」と手を振り、一人で静かな夜を迎える。
それが当たり前だったけれど、心のどこかではいつも、誰かが足りない寂しさを抱えていた気がします。
でも、ついにその日がやってきました。
病院の中で、初めて家族3人が同じ部屋で、同じ夜を過ごす。
「お泊まり」という言葉の響き以上に、私たちにとっては重みのある、待ちに待った瞬間でした。
赤ちゃんの状態が安定した事もあり狭い簡易ベッドがある個室で一晩一緒に過ごす許可が出ました。
お世辞にも「快適な寝床」とは言えないかもしれないけれど、ふと横を見ればパートナーがいて、そのすぐそばで赤ちゃんが呼吸をしている。
「あぁ、やっと揃ったんだ」
暗闇の中で感じる3人の気配。
バラバラだったピースがようやくパチリとはまったような、そんな安堵感で胸がいっぱいになりました。
朝起きて、3人で「おはよう」と言い合える。
そんな些細なことが、これほどまでに愛おしく、力強いものだとは知りませんでした。
まだ病院という場所ではあるけれど、私たちは一歩、前に進みました。
この夜の温もりを、ずっと忘れないでいたいと思います。
