【ダウン症】自宅での経鼻チューブ挿入。最初は手が震えた。1人が頭を押さえて、もう1人が入れた話。


はじめに

退院が決まったとき、一番不安だったことがあります。

経鼻チューブの挿入を、自分たちでやらなければいけない。

病院では看護師さんがやってくれていました。
慣れた手つきで、あっという間に。

でも家に帰ったら、パパとママがやる番です。
1日1回、毎日。

この記事は、その「最初の一回」の話です。


経鼻チューブとは

経鼻チューブとは、鼻から細いチューブを入れて、
胃に直接ミルクを届ける方法です。

ダウン症のお子さんは筋緊張が低く、
口から飲む力が弱い場合があります。

この子も、生まれてからしばらくは
自分の力でミルクを飲むことができませんでした。

だからチューブで胃に直接届ける。
それが毎日の日課でした。


病院で練習した

退院前に、看護師さんに付き添ってもらいながら
パパとママそれぞれがチューブの挿入を練習しました。

「鼻から入れて、喉を通って、胃まで届かせる」

言葉にすると簡単そうですが、
相手は小さな赤ちゃんです。

練習のとき、心の中でずっと思っていました。
「痛かったらごめんね」
「間違えたらどうしよう」

それでも、これができないと家に帰れない。
自分に言い聞かせながら、なんとか覚えました。


2人でやると決めた

自宅では、役割を決めました。

1人がこの子の頭をそっと押さえる。 もう1人がチューブを挿入する。

これが私たちのやり方です。

1人でやろうとすると、この子が動いたときに対応できない。
2人でやることで、お互いの不安が少し和らぎました。

もし自宅でチューブ挿入をしているご家族がいれば、
ぜひ2人で役割を分けることをおすすめします。


自宅で最初にやった日

退院して、初めて自宅でチューブを挿入する日が来ました。

1人がこの子の頭をそっと押さえて、
もう1人がチューブを持つ。

手が、震えていました。

病院では看護師さんがそばにいた。
でもここには、2人しかいない。

「大丈夫、できる」

深呼吸して、チューブをゆっくり入れていく。
この子が少し嫌がる。
泣きそうな顔をする。

それでも止まれない。


ちゃんと入った。

胃の位置を確認して、問題ないことがわかった瞬間、
体の力がふっと抜けました。

「できた」

その二文字だけが、頭の中にありました。


毎日続けるうちに慣れた

最初は毎回緊張していました。

でも1日1回、毎日続けるうちに、
少しずつ手が震えなくなっていきました。

1週間後には、落ち着いてできるようになっていた。
2週間後には、2人の息が合うようになっていた。

「慣れる」というのは、不思議なものです。

あんなに怖かったことが、日常になっていく。
それがまた、少し複雑な気持ちでもありました。


同じ状況のご家族へ

自宅での経鼻チューブ挿入に不安を感じているご家族へ。

最初は怖くて当然です。
手が震えて当然です。

でも、必ずできるようになります。
毎日続けるうちに、体が覚えていきます。

一人でやろうとしないで、2人で役割を分けることをおすすめします。
「1人が頭を支える、もう1人が挿入する」
それだけで、ずいぶん気持ちが楽になります。

不安なことがあれば、訪問看護師さんや主治医に相談しながら進めてください。


おわりに

あの「最初の一回」は、今でも忘れられません。

震える手で、泣きそうになりながら。
それでも、やりきった。

小さなことかもしれないけれど、
あの日から少し、自信がついた気がします。

この子のために、できないことなんてない。
そう思えるようになった日でした。


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